お知らせ

2022年09月15日

注意機能アプローチ方法の紹介

CVA後の高次脳機能障害や認知症などの影響で注意力が低下している方に対して、どんな介入方法があるの?

と悩んだことないですか?

今回は注意機能アプローチ方法を「持続性注意」「選択性注意」「転換性注意」「配分性注意」の4つのコンポーネントごとに紹介したいと思います。

基礎的な部分を簡潔にまとめているので、初学者向けの内容です。

全般性注意の分類と難易度

全般性注意機能は大きく4つに分類されます。

その中でも難易度は異なると考えられています。

最も簡単なのが「持続性注意」で最も難しいのが「配分性注意」であるとされています。

配分性注意は唯一、記憶(ワーキングメモリー)の要素も含んでいるのが特徴です。

持続性注意へのアプローチ

持続性注意をトレーニングする方法は様々です。

「本を読む」「計算する」「手芸をする」など、ほとんどの作業で持続性注意は必要となります。

OTならクライエントの好きな「作業」を通して持続性注意力向上を図ると良いかと思います。

それ以外では「カウンティング課題」と呼ばれる課題で持続性注意のトレーニングが可能です。

【カウンティング課題方法】

「今から手を叩くので、その回数を数えておいてください。数えるときに声には出さないでお願いします。最後に「はい」と言うので、「はい」と言ったら叩いた回数を答えてください。」と指示する

手を叩くリズムや間隔をあけると、より持続性注意力を向上します。

【カウンティング課題の難易度調整】

カウンティング課題ではモダリティを変えることで難易度調整ができます。

例えば、課題中に対象者に目をつむってもらうと「聴覚刺激」のみとなり、開眼で行うよりも難易度はあがります。


【動画で学びたい方】

カウンティング課題を動画で学びたい方はコチラをどうぞ↓

選択性注意へのアプローチ

選択性注意機能とは、必要な刺激や情報に注意を向けることです。

また近年では、必要な情報に注意を向けるために、妨害刺激を無視することも重要であるとされています。

例えば、下記のような漢字探し課題も選択性注意のトレーニングとなります。

その他にも「ウォーリーを探せ」は選択性注意機能が鍛えられます。

転換性注意へのアプローチ

転換性注意とは注意を向けている対象を、別の対象へと切り替える機能です。

転換性注意機能が障害されると、一つの作業からなかなか切り替えられないような問題が生じます。

トランプなどを用いても、転換性注意のトレーニングは可能です。

【難易度調整】

黒と赤の色分けだと2種類となりますが、「ハート」「スペード」「クラブ」「ダイヤ」とマークごとに分けると難易度は上がります。

配分性注意のトレーニング

注意機能の中で最も難易度が高いのが、配分性注意機能です。

配分性注意機能のトレーニングにTWT(trail walking task)という方法があります。

こちらはTMT(Trail maiking test)の動作バージョンのような課題で、部屋にばらまいた数字番を歩きながら探す課題です。

まとめ

今回は注意障害の介入方法の一部を紹介しました。

リハガクZOOMセミナーで、注意障害についての研修会を企画しております。

  • 注意障害を理解するための脳の機能について
  • 注意障害のメカニズム仮説について
  • 注意障害の評価(機能的・動作的)について
  • 注意障害の介入方法について

などを分かりやすく解説していただく予定です。

30日間の見逃し配信もあるので、リアルタイムで視聴できなくても後日視聴可能です。

また、フルカラー製本資料が特典でございますので、動画を視聴しながら資料に書き込んで学ぶこともできます。

申込はリハガクHPから↓