2023年01月05日
食事動作を支援するポイントについて
OTは対象者さんのADLを支援する機会も多いかと思います。
そのADLの中の一つである「食事」について、どのように介入していますか?
対象者さんの食事動作の自立度を高めるために、どんな介入をすればいいのだろう?
と悩んでいる方は是非今回の記事を参考にしてください。
食事とは?
まず、人が食事をする一番の目的は生命維持するために栄養や水分補給をすることです。
しかし、食事動作にはそれ以外にも「人が豊かな生活を送るために重要な要素があります。」
美味しいものや、好きな食べ物を食べることが生活の楽しみになっている方もいます。
それだけでなく、会食に参加するなどコミュニケーションの要素もあります。
そのため、食事動作の自立度があがることで、単にADLがあがるだけでなく、社会参加へとつながることもあります。
食事動作で使う道具の特徴
食事動作を評価する際に、使用する道具の特徴を知っておくことが重要です。
なぜなら、道具によって必要な能力が異なるからです。
特に日本人が使う機会の多い箸は、他の食具と大きく異なります。
では、簡単に食具の特徴についてまとめていきたいと思います。
食事道具 | 特徴 |
---|---|
スプーン | すくう |
フォーク | 刺す、押さえる、巻く |
ナイフ | 切る |
箸 | つまむ、はさむ、運ぶ、すくう、押さえる、巻く、切る、裂くなど |
表からも分かるように、箸には多くの特徴があります。
箸は唯一、1つの手の中で2本の道具を扱う食具となっています。
では、箸操作を向上させるためにはどうすれば良いのでしょうか?
食事動作を評価するポイント
食事動作を評価するポイントは、動作を細分化することです。
細分化することで、食事動作のどの部分に問題があり、どの部分はできているのか?
ここが分かれば介入すべきポイントが見えてきますね。
食事の構成要素について簡単にまとめてみました。
①食事開始前の意思決定 |
②食事道具や食器の把持・固定 |
③食べ物をすくって口へ運搬する |
④咀嚼・嚥下 |
⑤姿勢の保持 |
例えば食事中に姿勢が崩れるのなら、⑤の姿勢保持に問題があります。
訓練では体幹機能を高める介入や座位バランス訓練が有効かもしれません。
また、クッションなどで座位姿勢を保てるようにするのも一つの方法になります。
このように細分化すれば介入すべきポイントが明確化します。
評価が苦手な方はまずはこの辺りを意識してみてはいかがでしょうか?
食事動作の介入方法
今回は、食事の箸操作についての介入について紹介します。
あくまで一例に過ぎませんが、臨床のヒントにしてみてください。
まず、箸操作に必要な能力ですが「箸の先から食べ物の触感を感じる」「食べ物の形や、抵抗感に合わせて力を調整す」などがあります。
また、箸操作は上箸(動作箸)を主に動かし、下箸(固定箸)は力仕事の役割があります。
この動作箸と固定箸に着目してみます。
動作箸(上箸) | 主に母指指腹、示指基節部、中指末節部による三点固定を支点とする。また、食べ物からの抵抗感は主に示指の指腹がセンサー |
固定箸(下箸) | 主に母指基節部、示指中節部、環指末節部による三点固定 |
食べ物からの抵抗感は主に示指指腹が感じるとの報告があります。
そのため、動作箸による力の調整に問題がある方に対しては、示指の知覚訓練などはいい方法なのかもしれません。
具体的にどんな方法があるの?と気になる方はリハガクオンラインのこちらの動画を参考にしてみてください。
積み木を用いて、手内在筋をトレーニングする方法や、示指の知覚訓練について実技を交え解説しています。
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