2022年09月29日
認知症者の転倒リスク5つの要因について
認知症高齢者は、そうでない高齢者と比較すると、約8倍も転倒しやすいと報告されています。
認知症高齢者と関わる機会の多い、療法士は認知症者の転倒について知っておく必要があると思います。
転倒予防のために、下肢筋力訓練やバランス訓練など身体面へ介入することは多いかと思います。
もちろんそれも大事ですが、転倒は身体的要因以外にも様々あります。
今回は転倒リスクについて5つの要因をまとめてみました。
身体的要因
身体機能面も転倒リスクとは深い関係にあります。
身体機能面で転倒と関係があるとされるのが「筋力」「バランス」「関節可動域」「感覚入力」です。
認知症の方の転倒予防を考える際には、こちらの4点は評価する必要があります。
その中で問題となる部分に介入していくと転倒予防につながるのではないでしょうか?
認知的要因
認知機能と転倒も深い関係にあります。
認知機能面では特に、「注意機能」「運動プログラミング」「判断力」「感覚統合」「抑制」などが転倒と関わりがあるとされています。
有名な3つのバランス戦略の「股関節戦略」「足関節戦略」「ステッピング戦略」にも認知面は関わっているされています。
特に注意機能とは関わりが深いです。
認知症高齢者の注意機能の評価やトレーニングは転倒予防の観点からも重要だと言えます。
心理的要因
心理的要因には「転倒恐怖」「不安」「うつ」などがあります。
恐怖心や不安感が強い方は転倒のリスクが高いと報告があります。
歩行や移乗動作をする際の精神状態も評価しておくことが大切になります。
医学的要因
医学的要因には「起立性低血圧」「薬の副作用」などがあります。
認知症の方を担当した際には起立性低血圧の有無や薬のチェックも行うようにしましょう。
療法士だけで分からない場合はDrやNs、薬剤師さんなどの多職種に相談することも大切だと思います。
環境的要因
環境的要因には「照明などの部屋の明るさ」「履物」「歩行補助具」などがあります。
夜間に転倒が多い方がいるなら、暗さによる要因が関係しているかもしれません。
環境を変えることで、転倒リスクを下げることができます。
また、靴などの履物も重要です。
大きさは合っているか?歩きにくくないか?など確認することは大切です。
転倒予防介入のポイント
転倒予防介入のポイントには「筋力訓練」「服薬の確認」「睡眠の改善」「環境確認」「精神状態の確認」「健康的な食生活」「適切な靴の着脱」「コアマッスル、バランスの改善」などが挙げられます。
また、棒体操を用いたバランス機能向上訓練で、転倒リスクを下げる報告もあります。
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